Wednesday, June 01, 2022 6:44 AM

日立のEV向け薄型インバーター、省エネと小型化を実現

 日立製作所と日立アステモは、電気自動車(EV)向けに省エネと小型化を両立させた薄型インバーター(電力変換器)技術を開発した。

 日立アステモは、2021年初めに日立オートモティブとホンダの主要サプライヤー3社が合併して誕生した会社。

 日立製のプレスリリースによると、この薄型インバータは、電力供給を制御するパワー半導体をプリント配線基板と一体化させることで電力配線を簡素化。パワー半導体のスイッチ動作時に発生するエネルギー損失を従来のモジュールと比較して30%削減すると同時に、約50%の小型化を実現している。また、パワー半導体や電力配線の溶接が必要ないため、部品数や組み立て工程を削減できる画期的な構造となっている。

 インバーターは、電池の直流電力を交流電力に変換し、モーターの回転を制御するEVに不可欠な部品であると同時に、EVの急速充電システムや再生可能エネルギー発電の変電システムなど、エネルギーを有効活用するための重要な部品でもある。

 EVやクリーンエネルギーの需要が高まる中、従来の構造のインバーターでは出力調整のためにパワー半導体や周辺部品の大型化が必要になり、エネルギー損失の増加や組み立て工程の複雑化につながる。

https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/05/0524b.html