Wednesday, August 10, 2022 6:53 AM

サクー、加州に電池製造のエンジニアリング拠点新設

 3Dプリント(積層造形)技術を活用した全固体電池を開発するシリコンバレー拠点のサクー(Sakuu)は、数百万ドルをかけて同地にエンジニアリングセンターを開設した。

 エレクトライブによると、サクーは2021年、電池のパイロット生産ラインをシリコンバレーに開設。現在は顧客向けに出荷する電池の初期生産を行っている。同社はこのラインによって3D印刷による全固体電池プラットフォームの大量生産を可能にし、28年までに世界生産能力を年間60ギガワット時(GWh)に高めたいと考えている。

 新施設には、電池、エンジニアリング、材料科学、R&D、積層造形の人材を集め、研修も実施する。23年1〜3月期までに115人を採用する予定だ。

 サクーが開発した3D印刷の技術は、基本的にほかの分野でも使えると言われているが、同社は電池の製造に最大の効果を発揮できると考えている。電池製造には多様な積層造形の工程が組み合わされ、「全く異なる材料」でも1回の噴射で前の粉末層に重ねることができる。

 セラミックと金属に加え、同社が開発したキャリア材(付着させるための材料)「ポラライト(PoraLyte)」も使われる。この材料は、もろいセラミックの層を使わずに空洞のある物体を「単純かつ高速に」3D印刷できるようにすると言われている。