Wednesday, October 19, 2022 7:02 AM

世界PC出荷、20%近く減少〜3Q、過去20年以上で最大の下落

 新型コロナウイルスのパンデミックを背景に増加していた電子機器への個人消費が減速しており、パソコン需要はここ数十年で最も急激に落ち込んでいることが、ガートナーの最新調査で分かった。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ガートナーが報告した2022年7〜9月期の世界パソコン出荷台数は、前年同期比19.5%減少の6800万台と、過去20年以上で最も急激な落ち込みを記録した。

 ガートナーのアナリスト北川美佳子氏は「今四半期の結果は、パソコン市場にとって歴史的な減速となる可能性がある。サプライチェーン(供給網)の混乱はようやく緩和されたが、消費者市場と企業市場の両方でPC需要が低迷しているため、在庫の高止まりが大きな問題となっている」と指摘した。

 購買意欲を高めるため販促活動や値下げが実施されているが、(9月の)新学期商戦は予想以上に低調で、世界経済の減速により企業は支出決定により慎重になっている。

 ガートナーによると、7〜9月期の米パソコン市場は、ノート型の販売不振で17.3%減少した。IDC調査によると、7〜9月期世界出荷台数は15%減の7430万台で、依然としてパンデミック前の水準を上回っているという。2つの調査会社は、データの算出方法が若干異なる。

 HPやデル・テクノロジーズなどのPCメーカーはここ数カ月、消費者需要の先細りを警告しており、この変化はサプライチェーンにも影響を与えている。半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズは、同社のチップを使うパソコンの需要が予想より弱いとして、直近の四半期の収益見通しを下方修正している。