Wednesday, November 09, 2022 5:59 AM

ステランティス、再生材料の使用率引き上げへ

 欧米自動車大手ステランティスは、車に含まれる再生材料の比率に関する中期目標を現在の35%からさらに引き上げることを検討している。

 ロイター通信によると、同社は事業計画で、30年までに資源リサイクル事業の収益を10倍の20億ユーロ(19億ドル)以上に、長寿命部品とサービスからの収益を4倍にする目標を明らかにした。アリソン・ジョーンズ上級副社長(グローバル循環型経済担当)は、「より多くの材料を回収して、再生材の割合を高める」と述べた。

 同氏はステランティスの循環型経済事業を説明する中で、「reman(remanufacture=再生品製造)」「repair(修理)」「reuse(再利用)」「recycle(再生利用)」に基づき、38年までに実質ゼロカーボンを目指すと強調した。

 カルロス・タバレスCEOは、原材料不足は今後10年間続くと見ており「使用する材料の寿命を延ばすことが自動車メーカーにとって重要な課題」と話している。

 自動車からファッションまで、再生素材の需要は世界的に高まっている。再生材は新品よりも高価になりがちだが、ジョーンズ氏によると、ステランティスはそれらの材料が社内を循環し続け、材料価格の変動に影響されないよう取り組んでいる。

 同社の再生部品は、原材料とエネルギーの使用量が削減されるためオリジナル部品よりも10~30%安くなり、循環型経済事業の発展がM&A案件につながる可能性もあるという。

 ステランティスは23年、トリノのミラフィオーリ・コンプレックスに自動車の再生と解体、部品の再利用に重点を置く循環型経済拠点を開設する予定。