Thursday, August 28, 2025 7:05 AM
米国の電池メーカー、海外での事業拡大を模索
米国の電池メーカーは、国内におけるクリーン技術支援の縮小などを受け、海外で新たな製造機会を模索する動きを強めている。
◇アジアに工場確保
ウォールストリート・ジャーナルによると、シリコン電池材料メーカーのグループ14(ワシントン州)は、韓国の大手SKが主導する資金調達ラウンドで4億6300万ドルを確保。これに伴い以前25%を保有していた韓国におけるシリコン電池材料製造事業の直接管理権を取得した。
リック・リューブCEOは、貿易摩擦が激化する中「売りたい市場で工場を持つ必要がある」と話し、アジア市場への直接的アクセスを重視する考えを示した。世界の電池生産の大半は同社のアジア工場から飛行機で4時間の圏内に集中しているという。
一方、グループ14はワシントン州モーゼスレイク工場の稼働を当初の計画から半年以上遅らせ、欧州での拠点開設も検討している。
米国では、バイデン前政権が推進したクリーンエネルギープロジェクトが、トランプ政権による関税や税制の変更、補助金削減の影響で混乱し、多数の雇用が失われている。グループ14も、関税の不確実性やシラン(水素化ケイ素)工場への公的支援が不透明となったことで、国内投資を延期せざるを得なくなった。グループ14のような企業は、海外で新たな機会を模索しており、韓国や欧州など、特に電気自動車(EV)の車載用や電力系統(グリッド)のエネルギー貯蔵用電池需要が依然として強い地域に注目している。