Thursday, December 22, 2022 6:32 AM

トヨタとオンコー、V2Gの実証で協業

 トヨタは、テキサス州の送配電会社オンコー・エレクトリック・デリバリー(Oncor Electric Delivery)と協力し、電気自動車(EV)の車載電池から電力系統(グリッド)に電気を供給するV2G(ビークル・トゥ・グリッド)技術関連のパイロットプロジェクトを実施する。

 グリーンカー・コングレスによると、プロジェクトはトヨタにとって米国で初めてのEVに関する電力会社との共同実験になる。運営はトヨタのEV充電ソリューション(EVCS)チームが主導する。

 両社はまず、ダラス南部のシステム運用サービス施設(SOSF)でオンコーの研究・試験用マイクログリッド(小規模電力系統)を使った研究に取り組む。SOSFのマイクログリッドは、4つのマイクログリッドが相互接続されており、個別に制御できるほか、並列および直列接続や、一つに統合して大きなシステムとして運用することも可能。また、マイクログリッドとそのサブシステムには、試験・評価用に「V2G」充電器、ソーラーパネル、蓄電池も含まれている。

 両社は、EVと電力会社との相互接続性をより良く理解するために、このシステムとEVを使う計画。この初期段階の実験の後は、23年に第2段階を予定しており、標準的な相互接続プロセスおよび契約に従い、オンコーのサービス地域内の住宅や企業のEVでV2Gの実証実験をする。

 両社はこの提携を通じて、現在および将来の顧客のニーズに関する知見を得られる。また、オンコーはEVやEV充電インフラの急速な普及の実現、ニーズへの対応、V2Gが電力網に与える影響のより良い理解に必要な、インフラに関する洞察を得ることができる。

 トヨタは22年、米国とカナダで初の量産型EV「bZ4X」を発売しており、23年初頭には高級車レクサス部門初のEV専用モデル「RZ 450e」の販売を開始する予定。