Wednesday, January 11, 2023 11:47 AM

マイクロソフト、キャッシャーレス店舗向け追跡サービスを提供へ

 マイクロソフト(Microsoft)は1月10日、新たな小売業向けクラウド・サービス「スマート・ストアー・アナリティクス(Smart Store Analytics)」の試験版を発表した。

 テッククランチ誌によると、同社のクラウド・フォー・リテイル(Cloud for Retail)製品群の一部と位置づけられるスマート・ストアー・アナリティクスは、小売店向け技術ソリューション新興企業アイファイ(AiFi、カリフォルニア州拠点)とマイクロソフトの提携によって、店舗業務スマート化機能をアイファイの顧客らに提供する。

 アイファイには、スマート・ストアーというキャッシャーレス・システムがある。スマート・ストアーは、競技場やコンヴィニエンス店といった小売現場に設置される機械視認システムだ。アイファイのカメラで撮影されたデジタル映像は、同社の機械視認アルゴリズムに即時転送され、買い物客が個々の商品を商品棚から手に取るといった行動を認識して追跡する。それによって、来店客が手に取ってかごに入れた商品を追跡および特定し、買い物客の決済カードに自動請求する。

 一方、マイクロソフトのスマート・ストアー・アナリティクスは、機械視認システムが追跡する買い物客データを分析し、分析内容にもとづいて消費動向予想や在庫管理効率化といった店舗運営合理化のための材料や推奨策を提示する。

 両社は、スマート・ストアー・アナリティクスとスマート・ストアーを統合することで、小売店がキャッシャーレス機能とデータ分析機能を一元的に利用できるようにする。

 両社は、同ソリューションを提供するにあたって、来店客らの顔認識や生体認証を使わず、消費者が入店すると同時に個々の来店客のデジタル分身(アヴァター)を作成して追跡する。

 アイファイは、店舗関連の各種の設定や物流、サポートを担当し、マイクロソフトは店舗の支払いや商品推奨、在庫といった店舗業務を最適化するためのモデル群を提供する予定だ。

 ポーランドのコンヴィニエンス店チェーン大手ザブカ・ポルスカ(Zabka Polska)は、50店舗以上ある「ナノ」店舗でスマート・ストアー・アナリティクスを導入し、個々の店舗の需要予想や商品補充および商品仕入れスケジュールの最適化、品切れ時の即応を合理化する考えだ。

 ザブカ・ポルスカは、マイクロソフトがスマート・ストアー・アナリティクスを開発するにあたって協力した小売大手だ。

https://techcrunch.com/2023/01/10/aifi-microsoft-smart-store-analytics/