Thursday, May 18, 2023 6:36 AM

トヨタの1億ドルR&D投資、ロボット開発と制御技術で成果

 トヨタの人工知能(AI)関連の研究部門トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI、シリコンバレー拠点)はこのほど、米国の一流大学と提携した1億ドルの研究開発(R&D)活動が、高度なロボット機能の開発や、燃料電池触媒の耐久性向上、コンピューターによる制御技術の進展につながったと発表した。

 オートモーティブ・ニュースによると、このR&Dプログラムを通じて、研究論文が1200本以上作成され、数人の学術賞受賞者が生まれたという。プログラムは2016年に始まり、22年は21の大学パートナーと61のプロジェクトが参加した。各大学のパートナーは、特定の分野でトヨタの研究者とチームを結成し、トヨタや業界に向けたソリューション開発に取り組んでいる。

 コロンビア大学の人工知能・ロボット研究所は、非剛体の物質を折り畳んだり曲げたり、形を変えたりできる新しいロボット機能を開発した。これらのロボットは、洗濯物を畳んだり柔かい袋を扱ったりでき、自動車の開発にも影響を与えると期待される。

 ミシガン大学の研究者らは、モデル予測制御システムの実行時間を短縮するためのガバナンスシステムを開発した。トヨタはこのシステムを使って、セットポイントの急激な変化で応答性が悪くなるという車両コントローラーの問題を解決したという。

 トヨタによると、この大学連携プログラムは24年まで継続される。