Tuesday, June 13, 2023 11:57 AM

倉庫作業を支援するヒューマノイド・ロボットの開発が加速

 配送センターの業務を支援するヒューマノイド・ロボットの開発が加速しつつある。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、配送センター業務を支援する機械はこれまで、機械腕や自動走行台車に占められており、ヒト型ロボットは非常にまれだ。

 配送センターでの作業自動化を目的としてヒューマノイド・ロボットを開発するおもな会社には、アジリティー・ロボティクス(Agility Robotics、オレゴン州拠点)やフィギュアAI(Figure AI、カリフォルニア州拠点)がある。ヒューマノイドは、二足歩行し、二本の腕を伸ばして高い棚に置かれた物を持ち上げるといった従来型ロボットにはできなかった動作を実行できる。

 ヒューマノイドは、労働力不足の解消に役立つうえ、ロボットの動作にあわせて倉庫設計を変更する必要がないという利点がある、と開発会社らは説明している。

 アマゾンからの投資を受けているアジリティー・ロボティクスが開発したヒューマノイド「ディジット(Digit)」は、身長175cm前後、体重が64kg前後で、15kg強の物を持ち上げて運ぶことができる。同社による実演動画では、低い棚に置かれた容器をしゃがんで持ち上げたうえで、膝を伸ばして立ち上がり、向きを変えて目的の場所に歩いていく様子が紹介されている。

 ロボットを人間のような形状にすることで、「既存の設備や業務の流れに溶け込んで、作業をすぐに開始できる」と、アジリティーの最高ロボット責任者ジョナサン・ハースト氏は説明している。

 ディジットは、現時点では1時間の充電で2時間にわたって作業できる。利用会社が2台のロボットを導入し、1台を充電中にもう1台が作業することを想定している、と同社は説明している。

 かたやフィギュアAIのヒューマノイドは、最終的には多目的ロボットになる予定だが、当面は注文品の梱包やトラックからの荷下ろしといった用途を想定している。30分の充電で5時間作業できるロボットを設計する、とフィギュアAIは説明している。

 一方、犬型ロボットで知られるボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics、マサチューセッツ州拠点)は、倉庫作業を想定した「ストレッチ(Stretch)」を2021年に発表した。台座に一本の機械腕を取り付けた構造のストレッチはヒューマノイドとは言えないが、ドイツ・ポストDHLグループ(Deutsche Post DHL Group)のDHLサプライ・チェーン(DHL Supply Chain)が米国の拠点でその導入を進めている。

https://www.wsj.com/articles/robots-are-looking-to-bring-a-human-touch-to-warehouses-52a3dc6c