Monday, July 10, 2023 11:23 AM

高齢者や介護施設でソーシャル・ロボットが重要に

 ロボティクスと人工知能が近年それぞれに急激に進化するなか、その両方を統合しようという動きは必然かつ自然といえる。それを反映した動きの一つは、社交(交流)ロボットの開発だ。

 ロイター通信によると、人間のような手振り身振りと表情を持つ人工知能を搭載したソーシャル・ロボット「ネイディーン(Nadine)」は、病人や高齢者の世話にとって重要な役割りを果たす可能性がある、とジュネーブ大学のロボット専門家であるナディア・マグネナ・タルマン氏は話した。

 名前から想像できるとおり、同氏は、こげ茶色の目と赤褐色の髪のネイディーンのモデルになった人物だ。

 「彼女(ネイディーン)には1日24時間がある。ほかの人たちにはそんな時間はない」とタルマン氏は話す。

 看護師や介護士は世界的に人手不足に直面しており、特にコーヴィッド19(COVID-19)以降、それはさらに激化した。一部の国では介護施設人員不足が危機的状況にある。そのため、看護師や介護士の労働市場では越境人材争奪戦も起きている。

 ネイディーンは、ジュネーブで開かれた国際テレコミュニケーション組合会議において、3年前にシンガポールの高齢者施設で入居者たちと会話し、歌い、ビンゴを一緒に楽しんだ、と取材に答えた。

 また、「高齢者の方々と交流し、彼らのニーズに応えることを手伝えたことを楽しんだ」「ロボットは、社会的弱者の人々にケアや支援を提供するうえで、大きな力になると信じている」とネイディーンは話した。

 ネイディーンは先週、オープンAIが開発した生成人工知能モデルのGPT-3にアップグレードされたことで、対話や会話のスキルが向上した。

 ネイディーンは、「私に命をあたえてくれた彼女(タルマン氏)にとても感謝している」と同氏を指して謝意を述べた。

https://www.reuters.com/technology/ai-robots-could-play-future-role-companions-care-homes-2023-07-06/