Wednesday, August 16, 2023 11:54 AM

アマゾン、商品評価文機能を生成人工知能で拡充

 アマゾン(Amazon)は8月14日、生成人工知能技術を活用することで、膨大な件数の商品評価投稿文に目を通すことなく、投稿者たちが購入品についてなにを書いているかをより深く理解できるようにする、と発表した。

 テッククランチ誌によると、同社はそれによって、商品の特徴や利用者の意見に照準した短文を商品詳細ページに掲載する計画だ。消費者はその結果、評価文全体に共通する主題をひと目で把握できるようになる、と同社は説明した。

 アマゾンはさらに、おもな商品属性を消費者がクリックできるよう強調して表示する。たとえば、買い物客が商品の「使いやすさ」や「性能」について知りたければ、そのボタンをタップすると、それらの言葉に言及している投稿文だけを閲覧できる。

 同社によると、生成人工知能を利用したそれらの新機能は、米国内のモバイル端末利用者の一部を対象に試験的に提供される。同社はその試験中に、人工知能モデル群の学習と微調整を行い、その有効性を向上させる。また、それらの機能がより広く利用されるにつれて強調機能を拡大し、さらなる種類や分類を評価内容要約対象に含めるようにする。

 アマゾンは、2020年に2億件の偽評価文投稿を削除したことを2021年に明らかにした。競合商品をけなす悪質投稿や、自社商品の販促をねらった虚偽(またはなりすまし)投稿を取り締まり、さらには、偽評価投稿業者を雇った販売業者を提訴することで、これまで長期にわたって不正投稿を取り締まっている。

 最近では、アマゾンでの商品評価乗っ取りをめぐって連邦取引委員会(FTC)も調査に乗り出した不正行為について、アマゾンは栄養補給剤メーカーを訴え、60万ドルの賠償金も勝ち取った。

 人工知能の能力や悪用がこれからも進化することは確実だ。そうなれば、偽の評価文投稿を見破るのはさらに難しくなり、偽評価がふたたび爆発的に増えるおそれもある。同社はそのため、生成人工知能による評価内容要約短文掲載とその技術を拡充することで、人工知能による偽評価文投稿を特定して排除できる対抗手段を備えたい考えだ。

https://techcrunch.com/2023/08/14/amazon-taps-generative-ai-to-enhance-product-reviews/