Friday, September 22, 2023 11:55 AM

マイクロソフト、生成人工知能仮想執事ソフトウェアを大企業に販売へ

 マイクロソフト(Microsoft)は9月21日、ワードやエクセルといった中核的生産性アプリケーション群を生成人工知能が補完するマイクロソフト365コーパイロット(Copilot)を11月1日から大企業向けに販売する、と発表した。

 業務用生産性アプリケーション市場において、同社は圧倒的地位を維持しており、また、生産性アプリケーション集合体「オフィス」は同社の売り上げの24%を占める主要事業部門でもある。

 CNBCによると、マイクロソフトは、顧客会社らがマイクロソフト365コーパイロットを買えるようにすることで、同市場での地位をさらに盤石にするとともに、同事業部門の拡充と強化を図る。

 マイクロソフト365コーパイロットは、生成人工知能チャットボットのチャットGPTの開発元として一躍有名になったオープンAIとの協業の成果だ。オープンAIに巨額を投資するマイクロソフトは、チャットGPTを支える大規模言語モデル(large language model=LLM)のGPT-4(Generative Pre-trained Transformer 4)を自社製品群にあいついで組み込んでおり、利用者らのプロンプトに応じて回答を生成する機能を提供している。

 マイクロソフトはそのほか、データ分析ソフトウェア「ファブリック(Fabric)」や、販売および接客ソフトウェア「ダイナミクス(Dynamics)」、検索エンジン「ビング(Bing)」、OSのウィンドウズ11用の生成人工知能アシスタントも開発している。同社は、ビングとエッジ(Edge)、ウィンドウズ11でもコーパイロットを展開する計画も明らかにした。

 マイクロソフト365コーパイロットは、利用会社の従業員らがワード・ファイルやパワーポイントでの発表用資料の準備、電子メール・メッセージから情報をすばやく検索するのに役立つ。コーパイロットのチャット機能は、利用者らの指示に回答を提示することで、さまざまの作業過程を簡便化かつ迅速化し、利用者らが、より重要な仕事に労力を時間をかけられるようにする。

 同社は、マイクロソフト365コーパイロットの計画を3月に初めて明らかにした。5月時点で600社が有償の早期アクセス・プログラムでそれを使い始めた。7月には、マイクロソフト365(旧オフィス365)の既存のサブスクリプション費用に加え、機能強化のための価格を一人あたり月額30ドルにする、と同社は発表した。

 業務用アプリケーションに生成人工知能機能を統合する動きは過去数ヵ月に顕著になった。グーグルでも、グーグル・ワークスペイス(Google Workspace)向けのデュエットAI(Duet AI)に8月末から一人あたり月額30ドルを課金している。

https://www.cnbc.com/2023/09/21/microsoft-365-copilot-software-becomes-available-to-enterprises-nov-1.html