Wednesday, September 27, 2023 6:58 AM

フォード、ミシガン州での電池工場建設中断

 フォードは25日、ミシガン州で進める電気自動車(EV)用電池工場(総工費35億ドル)の建設を一時中断したと発表した。

 ロイターによると、全米自動車労組(UAW)のショーン・フェイン委員長はフォードを非難し、この発表は「雇用を削減するという、フォードの恥ずべき見え透いた脅しだ」と述べた。「私たちはEVへの正当な移行を求めているだけなのに、フォードはむしろどん底への競争を激化させようとしている」

 フォードは契約交渉で何度もUAWへの提示額を引き上げているが、合意には至っていない。一方、電池工場の労働者の扱いについては、UAWとデトロイト3社の交渉の重要な争点となっている。

 フォードは「競争力のある工場運営ができると確信できるまで、マーシャル近郊の工場の作業を一時停止し、建設支出を制限する」「工場への投資計画について最終的な決定は下していない」と説明した。

 フォードは2月、同工場の建設計画を発表した。国内でEV用電池を製造することで、同社と同社が提携する中国の車載電池大手、寧徳時代新能源(CATL)が米国の顧客を引きつけられるという思惑がある。

 ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事は「フォードは工事の中断を一時的とはっきり言っている。われわれは州民が本来の仕事に戻れるよう、ビッグ3(米自動車大手3社)とUAWの交渉が成功するよう引き続き働きかける」と述べた。

 UAWと議会の一部は、自動車メーカーが電池工場の労働者に、組立工場やエンジン工場で働く労働者と同等の高い賃金を支払うよう望んでいる。

 また、議会共和党はフォードの電池工場計画について、税金による補助が中国に流れ、同社が中国の技術に依存するようになるとの懸念から調査を続けている。