Monday, April 06, 2026 7:16 AM

「AIと宇宙」統合加速〜マスク、主導権確保へ

 宇宙開発企業スペースXの新規株式公開(IPO)は、CEOのイーロン・マスク氏が進める人工知能(AI)と宇宙事業の統合戦略を加速させる転機となりそうだ。巨額資金を確保し、ロケット打ち上げにとどまらず、半導体やデータセンターまでを自前で抱え込み、次世代インフラの主導権を握りたい考えだ。

▽一体展開

 「テラファブを建設しなければ必要な半導体は確保できない」。3月21日にテキサス州オースティンで開いたイベントで、マスク氏は外部調達だけでは急増するAI需要に対応できないとの認識を示し、AI向け半導体工場「テラファブ」の建設計画を披露。生産の大半は宇宙向けになると説明した。

 マスク氏は今年2月、スペースXにAI企業xAIを統合。同じく自らが率いるEV大手テスラとも連携し、各事業の一体展開を推し進める。テラファブの建設は、テスラの自動運転車やヒト型ロボット、スペースXの衛星など用途ごとに最適化した半導体を内製化し、設計から製造、改良までを迅速化する体制を整えるという前例のない壮大なプロジェクトとなる。

 宇宙空間でAIデータセンターを展開する構想も掲げており、打ち上げや輸送を担うスペースXと組み合わせることで、地上の電力制約や立地制約を受けにくい新たな計算基盤を構築。月面開発や将来的な火星探査にもつなげる青写真を描く。