Thursday, March 21, 2024 7:18 AM

コアシェル、フェログローブと提携〜EV電池用金属シリコン開発で

 電池技術開発の新興企業コアシェル(Coreshell、カリフォルニア州)と金属ケイ素や合金鉄の製造大手フェログローブ(Ferroglobe、英国)は、米インフレ抑制法に準拠した低コストで高出力な電気自動車(EV)用電池の開発に向け、電池用金属シリコンの開発で提携する。

 オートモーティブ・パーチェシング・アンド・サプライチェーンによると、両社の提携により、シラン(有機質シリコン)系シリコンの飛躍的な進歩と、EV電池におけるグラファイト(黒鉛)の置き換えが可能になる。黒鉛はEV電池の負極材料に使われているが、コストと航続距離性能が制限され、その代わりになる材料探しが業界の課題となってきた。

 EVは、消費者にとっても自動車メーカーにとっても高コストの問題があり、EVの総コストの30〜40%は電池が占める。シリコンは黒鉛の10倍のエネルギーを負極に蓄えることができるため、自動車メーカーは電極材料へのシリコン応用に関心を寄せており、これでEVの航続距離が30%延びる可能性がある。

 コアシェルは、リチウムイオン電池の電極の表面に施す薄膜塗布(コーティング)技術を開発している。同社独自のナノ材料電極コーティングは、顕微鏡レベルのシリコン劣化を軽減することが実証されている唯一の解決法で、リチウムイオンが電極間を容易に通過できるようにして電池性能の急速な劣化を防ぐ。

 また、最大純度99.995%のシリコンを製造するフェログローブ独自の冶金精製プロセスは、シリコン活物質を製造するための重要な技術で、費用対効果が高く化学試薬を一切使用しない。

 これらの技術革新によって初めて、さまざまな用途で製品寿命の要件を満たす冶金シリコンの負極を備えたリチウムイオン電池の開発が可能になる。