Thursday, April 18, 2024 7:37 AM

バレンズとソニー、画期的な車載センサーの開発で前進

 イスラエルの半導体メーカー、バレンズ・セミコンダクター(Valens Semiconductor)は、自動運転向けカメラの高速データ転送を実現する同社の受信半導体チップセット「VA7000」と互換性のあるソニー・セミコンダクター・ソリューションズのA-PHY内蔵型(Tx)イメージセンサーの成熟化に向け、ソニーと共同で行ったマルチベンダーA-PHYリンクの電磁両立性(EMC)テストを完了した。

 テレマティクス・ワイヤーによると、この画期的なソニーのソリューションは、自動車業界初の統合高速コネクティビティ・ソリューションで、先進運転支援システム(ADAS)向けの、非常に低コストかつ小型で消費電力の少ないカメラの実現につながる。

 A-PHY(エーファイ)は、移動通信業界の企業連合MIPIアライアンスが策定した自動車向けの規格で、自動車内部におけるカメラとディスプレイの間のデータ伝送用途に対応する。2020年に発表されて以降、この技術に基づく製品を設計する企業が増えている。現在、複数の自動車メーカーやティア1企業が、次世代システムへの統合に向けてVA7000シリーズ MIPI A-PHY対応チップセットを評価している。

 バレンズとソニーは、相互運用性試験(IOT)と電磁両立性(EMC)試験に成功したほか、車両のライフサイクル全体をシミュレートするためにエージングされた15メートルのケーブルによる、バルク電流注入(BCI)、RFイングレス、Transients On Line(ToL)試験にも成功した。この試験は、装置が実際の自動車環境で干渉を受けずに動作することを検証するために行われ、ADASや自動運転車(AV)の電子システムの安全性と信頼性の確保には不可欠となる。

 バレンズとソニーは、ADASシステム用の8メガピクセルA-PHYカメラモジュールの共同開発にも取り組んでいる。