Friday, June 28, 2024 7:08 AM

フィスカー破綻処理、二つの債権者グループが対立

 経営が破綻し、事業再建を目指していた電気自動車(EV)メーカーのフィスカーは、現在は事業清算の方向に向かっている。

 ロイターによると、同社は電動SUV「オーシャン」の生産拡大で資金を使い果たし、今月17日にデラウェア州の連邦破産裁判所に連邦破産法11条に基づく再建手続きを申請した。当初は小規模の操業を続けながら追加融資を求めると述べていたが、現時点で融資を受けられる見込みはなくなったという。

 デラウェア州の連邦破産裁判所でこのほど行われた公聴会で、フィスカー代理人の弁護士ブライアン・レズニック氏は「同社は資産を清算する予定で、車両4300台についてはすべて単独の買い手と暫定的な売買合意に達した」と述べた。自動車デザイナーのヘンリック・フィスカー氏が立ち上げたフィスカーは、一度も利益を出したことはなく、2023年は売上高が約2億7300万ドル、純損失は9億4000万ドルだった。

 清算に関しては、合わせて8億5000万ドル以上の債権を有する二つグループが争っている。より大きな債権者グループは、ハイツ・キャピタル・マネジメントが率いる小規模債権者グループが23年11月に疑わしい取引を通じてフィスカーの負債の支配権を握ったとして少数派を非難。大規模債権者グループのアレックス・リーズ弁護士は「フィスカーは11月に破産を申請すべきだった」と判事に訴えた。