Monday, October 21, 2024 7:07 AM

GMベンチャーズ、フォージナノに1000万ドル出資

 GMベンチャーズは、原子層堆積法(ALD)を専門とする材料科学企業フォージ・ナノ(Forge Nano、コロラド州)に1000万ドルを投資し、GMの電池へのALD導入について協力する戦略的パートナーシップ契約を締結した。

 ALDは、電池材料に薄膜コーティングを施して化学変化や構造を原子スケールで制御する表面工学技術。

 グリーンカー・コングレスによると、フォージ・ナノは、GMの電池の正極活物質(CAM)を強化する薄膜コーティングを開発して、コロラドの本社でリチウムイオン電池のプロトタイプを製作し、独自の「アトミックアーマー」技術を披露する予定。

 今回の投資は、電池の性能を高め、EVのコストを下げ、すべての自動車購入者にとって魅力的な選択肢となる革新的な技術を見出すというGMの継続的な取り組みの表れで、電池材料コーティング事業と半導体事業の拡大を目指すフォージ・ナノは、自社の技術をさらに強化できる。

 フォージ・ナノはすでに、ハンファ、オライオン・インフラストラクチャー・キャピタル、カタラス・キャピタル、アセント・ファンズが参加したシリーズC資金調達ラウンドで5000万ドルを確保しており、フォルクスワーゲン、三井金属、LGテクノロジーベンチャーズ、米州住友商事、エア・リキード、SBIインベストメントからの追加投資を加えると、これまでに調達した資金総額は1億ドルを超える。

 フォージ・ナノの電池材料強化能力は、新設された同社の電池製造事業フォージ・バッテリーでも生かされる見通し。フォージ・バッテリーは最近、生産能力拡大に向けて米エネルギー省と1億ドルの契約交渉ができる企業に選ばれており、フォージ・ナノの表面エンジニアリング・プラットフォーム技術「アトミックアーマー」を用いたエネルギー密度300Wh/kgのリチウムイオン電池の試作品の生産と出荷を始めている。

 バッテリー部門は、ノースカロライナ州ローリーに新設された大型工場で、防衛、航空宇宙、特殊EV市場向けにクラス最高の高エネルギー・高出力リチウムイオン電池を生産する予定だ。