Monday, April 07, 2025 7:00 AM

車各社、駆け込み需要に便乗〜関税対応、数カ月後に大幅値上げも

 トランプ政権が発動した自動車輸入関税に対応し、各自動車メーカーは駆け込み需要にあやかろうと販売促進策を提供する一方、関税が長期間続けば大幅な値上げを余儀なくされると議員らに警告している。

 ロイターによると、トランプ大統領が輸入自動車に25%の追加関税を課したことで、自動車メーカーは慌てふためいている。一方、ディーラーと自動車メーカーにとって、関税を警戒する消費者による自動車の駆け込み購入の急増は一時的な明るい材料だ。3月の自動車販売はこの不確実性を受けて増加し、メーカーは今後数か月間、さまざまな販売促進策でシェアを獲得しようとしている。

 ステランティスは4日、一部の新モデルで従業員割引プログラムを消費者にも適用し、より広い市場で提供すると発表した。フォードもすでに同様の方針を表明している。

 日産自動車は、2025年型「ローグ」と「パスファインダー」の値下げを発表し、現代(ヒョンデ)自動車は現行モデルの希望小売価格を6月2日まで続けると発表している。

 ゼネラル・モーターズ(GM)は4日時点で4月の販促方針を変更していないと話した。

 関税の短期的な影響で売り上げが伸びている一方で、米国の自動車メーカーは議員らに対し、関税が継続すれば大幅な値上げを余儀なくされると非公式に警告している。

 上院商務委員会のテッド・クルーズ委員長(共和)は4日のポッドキャスト「Verdict with Ted Cruz」で、デトロイト3社の1社と話をしたところ、在庫がなくなる6月頃から米国内の価格を大幅に値上げすると警告されたと述べた。「すべての車の平均価格は4500ドル上昇するだろう」「値上がりするのは外国車だけではない」と話した。

 自動車情報サイトのエドマンズによると、4月初旬の時点で自動車メーカーはディーラーの敷地に平均48日分の在庫を持っていた。フォード・ブランドは業界平均を上回る64日分で、ステランティスのジープ・ブランドとほぼ同じだった。クライスラー・ブランドの在庫は15日分、ラムは70日分だった。日産は42日分、現代は60日分だった。