Tuesday, April 29, 2025 7:10 AM

自動車船に国を問わず米が入港料徴収へ〜日本を狙い撃ちか

 トランプ政権は、米国の港湾に入港する中国船籍の船舶への課税案をさらに推し進め、外国の自動車輸送船も入港料賦課の対象とする計画を打ち出した。

 ロイターによると、入港料計画はUSTRが17日、米国の造船業を復活させ、海運業界における中国の支配力を低下させるため中国に関連する一部船舶に入港料を課す取り組みの一環として発表した。具体的には、外国で建造された自動車船を対象に、積載できる車両1台当たり150ドルを10月14日から徴収する。6000台を輸送できる船舶の場合、入港料は90万ドルとなる。

 中国で建造されたり、所有する船舶にとどまらない内容となったため、業界に衝撃が広がった。自動車船を利用する顧客の大きな費用増につながるからだ。世界海運評議会はほぼ全ての自動車船が入港料の対象になり、意図しない影響をもたらすと警告した。運航されている自動車船1466隻のうち、米国で建造されたのは39隻にとどまる。

 ブルームバーグによると、ノルウェーの自動車輸送会社ホーグ・オートライナーズ(オスロ)は米国の入港料賦課計画により、最大7000万ドル(約100億円)のコストが発生する。同社によれば、米国に寄港する船舶1隻当たり最大100万ドルのコストが見込まれ、アンドレアス・エンガーCEOはコスト抑制に向け、運航のスケジュールやパターンを調整すると述べた。

 自動車輸送船では、日系のシェアが高い。日本郵船が15%以上で首位、商船三井と川崎汽船も10%以上となっている。このため日本を狙い撃ちにしたとの観測も広がり、急きょ、30日から始まる日米協議でも取り上げられる見通しとなった。