Wednesday, April 30, 2025 7:01 AM
米新車在庫が急降下〜1カ月間に30万台減
輸入車への25%の追加関税の影響で、米新車市場の販売在庫水準が急速に低下している。関税負担の価格転嫁を警戒する駆け込み需要に伴い、3月末の新車の総在庫台数は前月末比で約30万台減少し、平均在庫日数が約91日から約70日に減った。産経新聞が報じた。
トランプ関税発動前の在庫がほぼ底をつく6月ごろを境に、価格上昇や駆け込みの反動などで市場環境が激変しそうだ。
米調査会社のコックス・オートモーティブによると、3月の米新車販売台数は前月比約17.2%増と大幅に伸び、販売店の新車在庫は約299万3000台から約268万8000台に減少。平均の在庫日数は90.7日から69.5日に減った。駆け込み需要は、在庫水準が高いメーカーにとっては、早期の収益確保へ追い風となる。ただ、駆け込み需要を喚起する価格対応は、従来の在庫でしのげる期間終了を早め、駆け込みの反動減が大きくなる。
一方、トヨタとホンダの3月末の在庫日数は、それぞれ32日と46日。1カ月程度で追加関税後の車両に切り替わっていく水準だ。ともに、追加関税のコストは車両価格に転嫁しない方針だが、両社の新車の平均販売価格は、商品力を評価する需要に対して品薄のため、4月初めに200ドル前後、上昇している。トヨタは米国販売の約5割、ホンダは約7割を現地生産しているが、在庫が切れた段階に対する懸念は大きい。