Thursday, May 22, 2025 7:02 AM

インフィニオン、リビアンにSiC駆動モジュール供給へ

 独半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは、新興EVメーカー、リビアン(Rivian、カリフォルニア州)の次世代プラットフォーム「R2」向けに、炭化ケイ素(SiC)を用いたパワーモジュールとマイクロコントローラーを供給する。

 エレクトライブによると、インフィニオンは2026年から、「HybridPACK Drive G2」シリーズのSiCと従来のシリコン(Si)の両方をベースにしたパワーモジュールを、R2のトラクション・インバーター向けに供給する。

 24年に発表されたR2は、リビアンの次世代EVモデルの基盤となる。エネルギー効率と航続距離の向上が期待されており、インフィニオンの最新のパワー半導体技術が重要な役割を果たすと見られている。

 R2は現行の「R1」シリーズよりもコンパクトで手頃な価格の電動SUVで、より幅広い顧客層を対象とする。上級グレードはデュアルモーターによる全輪駆動(AWD)となり、量産に向けたコストと効率の最適化に焦点を当てる。

 インフィニオンとの契約には、「AuAURIXrix(オーリックス)TC3x」ファミリーのマイクロコントローラーや電力管理用ICも含まれており、新しいEVアーキテクチャーの中核を担う電子基盤として機能する。

 インフィニオンの「HybridPACK Drive」はすでに世界で最も広く導入されているEV用パワーモジュールの一つで、17年以降1050万個以上が出荷されている。同社は今後予想される需要の高まりに対応するため、SiCの生産能力を拡大し、マレーシアのクリム工場を世界最大級の競争力を持つ200mm SiC工場にする計画で、オーストリアのフィラッハ工場と併せてSiCとGaN(窒化ガリウム)技術の生産規模を効率的に拡張する方針だ。