Tuesday, June 10, 2025 7:10 AM

ルシッド、米国産グラファイトの供給網を拡大

 新興EVメーカーのルシッド・グループ(カリフォルニア州)は、EV電池に必要なグラファイト(黒鉛)の国内サプライチェーン(供給網)構築を推めており、新しく2件の国産グラファイト供給契約を交わした。同社がが締結した国産品調達契約はこれで計3件になる。

 ブルームバーグによると、ルシッド同社は2024年、グラファイト・ワン(本拠カナダ・バンクーバー)とオハイオ州の施設で生産される合成グラファイトの供給契約を結んでいるが、今回はさらに1件、同社と天然グラファイトの複数年供給契約を結んだ。グラファイト・ワンはアラスカ州ノーム北部でグラファイトを採取し、オハイオ州で加工する計画を立てている。

 3件目の契約では、ルシッドはシラー・リソーシズ(Syrah Resources、オーストラリア)から、ルイジアナ州で加工された外国産の天然グラファイト負極材料(アクティブアノード)を調達する。

 ルシッドは、トランプ大統領が就任し広範な関税政策を打ち出す前から米国産グラファイトの調達に取り組んでいたが、今回の契約は関税に対する同社の耐性をさらに高めることになる。またこれらの契約は、米国のグラファイト産業を構築する上で不可欠な「確実な需要」を保証する契約でもあり、ルシッドのマーク・ウィンターホフ暫定CEOは「自動車業界は非常に大量のグラファイトを必要としており、鉱山を採算の取れる事業にする上で必要な、決定的な規模の需要を提供できる」と述べた。