Tuesday, September 09, 2025 7:06 AM

クアルコムとBMW、新しい運転支援システム発表

 半導体大手クアルコム・テクノロジーズ(QualcommTechnologies)とBMWグループは、新しい運転支援システム「Snapdragon Ride Pilot(スナップドラゴン・ライド・パイロット)」を発表した。

 オートモーティブ・ワールドによると、ライド・パイロットはクアルコムのシステムオンチップ(SoC)「スナップドラゴン・ライド」を基盤に、両社が3年かけて共同開発した最先端の自動運転(AD)向けソフトウェアスタック「スナップドラゴン・ライドAD」を使用。最高の安全基準を満たし、エントリーレベルの新車新車評価プログラム(NCAP)から、レベル2+(プラス)の高速道路および都市部における自動航行(NOA)機能まで幅広い自動運転レベルに対応する。

 ライド・パイロットはBMWの新世代EVプラットフォーム「ノイエ・クラッセ」の最初の量産車である新型BMW「iX3」に搭載され、現在はクアルコムを通じて全世界の自動車メーカーやティア1サプライヤーに提供されている。

 ライドADは、クアルコムが開発した認識スタックと、BMWと共同開発したドライブポリシーエンジンを備え、自動車メーカーやティア1サプライヤーは、スケーラブルかつ柔軟に、低コストで迅速に市場投入できるソリューションを構築できる。

 360度認識、安全基準準拠、高度なコンテクスト認識型運転を柱とし、「データ&シミュレーションファクトリー」で実世界データ、合成データ生成、AIベースのシミュレーションを統合して、多様かつ堅牢な運転シナリオを作成することにより、自動運転ソフトウェアの開発を迅速化し、複雑な実世界シナリオに対応する。無線アップデートや「スナップドラゴン・ライドSDK」ソフト開発キットによる柔軟なカスタマイズも可能。

 BMW「iX3」では、高性能SoCと統合アーキテクチャーにより従来比20倍の演算性能を実現し、8M/3Mピクセルカメラやレーダー、HDマッピング、精密GNSS測位を組み合わせて安全性と信頼性を高めた。機能面では、ドライバーの視線や軽い操作をきっかけに車線変更や追い越しを行う「コンテクスト認識型運転」、高速道路でのハンズフリー(手放し)走行、人工知能(AI)駐車支援、車内監視を備える。

 さらにV2X通信チップを通じて周囲の車両やインフラ、歩行者と情報を共有し、視界外リスクを検知することで衝突回避を支援する。