Wednesday, September 10, 2025 7:18 AM
ポルシェ、EV電池戦略を大幅修正〜セルフォースは生産中止
ポルシェは、電池製造子会社セルフォース・グループ(Cellforce Group)の事業の大部分を停止し、大規模な再編を実施すると発表した。
エレクトライブによると、高性能電池の量産計画は中止し、電池とシステムの研究開発に注力する。この結果セルフォースの生産部門の人員は不要となり、最大約200人が削減対象になる。一部はVW傘下の電池子会社パワーコ(PowerCo)が受け入れる。
ポルシェのオリバー・ブルーメCEOは再編を「主要市場である米国とまだ発展途上の中国の高級EV市場の状況が厳しいため」と説明している。
セルフォースは当初、ポルシェの電動スポーツカー向けに高性能電池を開発・製造するため、ポルシェとカスタムセルズの合弁事業として設立され、後にポルシェが完全子会社化した。一時は量産規模を20ギガワット時(GWh)まで急拡大する構想もあったが、2025年4月の取締役会で撤回された。
ポルシェは、ドイツ南西部キルヒェンテルンスフルトのセルフォース「スタートアップ工場」における1GWh規模の電池生産構想も、需要がないため非現実的と判断し、今後は研究開発に特化させる。
ポルシェは、スポーツカー718シリーズの次期EVモデル向けの電池供給網も見直しを迫られている。当初の供給元だったスウェーデンのノースボルトは破綻し、電池パック製造を担うはずだったフィンランドのヴァルメト・オートモーティブとの契約も打ち切っており、718のEVモデル(ケイマン/ボクスター)の市場投入は当初予定の25年から27年以降に延期されている。