Thursday, November 03, 2016 10:24 AM

乗客の体重計って座席決定〜ハワイアン航空が燃料削減策

 ハワイアン航空は一部の便について、客室内の重量のバランスを取るため乗客の体重を計ってから座席を割り振る新システムを導入する。

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、燃料費の削減などが目的で、座席は搭乗手続きをするまで指定されず、搭乗前に乗客の体重を計り、客室全体の重量バランスを考えて航空会社側が席を決める。この方針については運輸省も10月初めに認可している。

 新システム導入に先立って同社が実施した半年間にわたる調査から、乗客や荷物が予想より平均約30ポンドも重いことが分かっており、運輸省は「重さを均一にすることで燃料や着陸事故の危険性を減らせる。航空会社には乗客の体重を計る権利がある」との見方を示している。

 しかし、新システムはホノルルと米領サモアを結ぶ便だけが対象であることから、差別的との批判も出ており、「サモア人は肥満と公言しているようなもの」という声もある。サモアは世界的に見ても肥満率が高く、2010年時点で女性の91%、男性の80%が太り気味か肥満と言われている。

 搭乗客の計量システムを導入するのは、13年のサモア航空、15年のウズベキスタン航空に次いで世界で3社目。サモア航空は体重によって料金が異なる運賃体系を導入しており、クリス・ラングトン最高経営責任者(CEO)は制度導入時に「航空機は重量によって機能する。当社が売っているのは座席ではなく重量枠」と説明した。

 ノルウェーのソグン・オ・フィヨーラ大学のバハラット・バハッタ准教授(経済学)も「重量や占有スペースに応じて料金を取るのは、輸送業界だけでなく他のサービスでも世界的に受け入れられている原則。航空業界では、重さとスペースが他の輸送機関よりはるかに重要で、航空会社は搭乗券の価格設定でこの点を考慮すべき」と指摘する。