Wednesday, November 09, 2016 10:31 AM

米、12月利上げに暗雲 市場混乱、FRB批判で

 米国の次期大統領にトランプ氏が決まり、米連邦準備制度理事会(FRB)が目指す12月の追加利上げに暗雲が広がってきた。オバマ政権の経済政策を真っ向から否定するトランプ氏の当選に世界の金融市場が混乱したためだ。トランプ氏はFRB批判を強めており、今後の金融政策を見通すのは難しくなりそうだ。

 FRBは今のところ12月13〜14日に開く今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る構えだ。雇用と賃金の改善を追い風に、物価上昇率が目標の2%に近づくとの自信を深めており、フィッシャー副議長は4日の講演で「最近の経済指標は利上げの根拠をさらに強めた」と意欲を隠さなかった。

 しかし、大統領選でトランプ氏が予想外の勝利を収めたことで、9日は日本をはじめとする各国の金融市場で株価が急落し、為替相場が乱高下した。市場の動揺が続けば、FRBは世界経済への影響が大きい追加利上げを断念せざるを得ない。(共同)