Tuesday, November 22, 2016 10:08 AM

配車サービスでも人種差別?〜待ち時間や拒否率に違い

 配車サービス大手のウーバーやリフトを使う場合、人種によって待ち時間や断られる確率に差があることが、ワシントン大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)の合同調査で分かった。

 USAトゥデイによると、調査は黒人と白人の学生の協力を得て、シアトルとボストンの特定のルートで合わせて約1500回、ウーバーとリフトのサービスを利用するという形で行われた。この結果、シアトルでウーバーを依頼した場合、黒人の平均待ち時間は5分15秒で、白人の4分より約30%長かった。リフトの利用では大きな違いは見られなかった。

 リフトでは運転手に客の名前と写真が表示されるが、ウーバーの運転手は客の名前だけで写真は見られない。このため調査報告書は「シアトルのウーバー運転手が黒人の客を見つけるのに非黒人より時間がかかった」と推測している。

 一方、ボストンでは依頼者の名前によって拒否率に大きな差が見られた。実験では、黒人風の名前と白人風の名前で同じサービスを依頼し、拒否率を比べたところ、黒人風の名前で依頼した時の拒否率は10.1%だったのに対し、白人風の名前で頼んだ時は4.9%と2倍以上の違いがあった。

 黒人風の名前を使った黒人の平均待ち時間はシアトルもボストンも大差はなく、いずれもドライバーが多い都市なので断られても常に次のドライバーが見つかるためではないかと考えられる。

 ウーバー、リフトの両社とも会社として差別は認めていないことを強調しており、「アプリを使った配車サービスはタクシーより公正で有効な輸送手段」と主張している。この点は調査でも立証されており、シアトルのダウンタウンで学生にタクシーを待ってもらったところ、白人は60%の確率で最初に来たタクシーが止まるが、黒人ではこの確率が20%未満だった。また、白人は1台止まるまでに4台以上通り過ぎることはなかったが、黒人は6〜7台通り過ぎる率が20%に上った。