Thursday, December 08, 2016 10:08 AM

LGBTに公平な企業増える〜500社超が満点評価

 人権団体ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)はこのほど、職場で性的少数派(LGBT)が公平に扱われているかどうかを評価する企業平等指数(CEI)を発表し、今年は100点満点を取得した企業が500を超えて過去最多となった。

 クリスチャン・サイエンス・モニターによると、HRCは国内最大のLGBT擁護団体で、企業の福利厚生や待遇がいかにLGBTに好意的かを毎年CEIで評価している。今年は、アップルやゼネラル・モーターズ(GM)のほか保険の適用対象に心と体の性が異なるトランスジェンダー社員も含めるようにしたばかりのウォルマート・ストアズなど、517社が100点を獲得した。

 今でも性的指向を理由に社員を解雇することが合法の州は28州あるが、近年はウォルマートのように社員を平等に扱う方針を導入する企業が増えており、社会のLGBTを見る目が変わっている現状を企業が法律より正確に受け入れていると考えられる。

 社会的・政治的問題に関する企業の姿勢を見極めようとする人が増え、企業にとってはLGBTを公平に扱う方針を取ることが、より多様な社員を引きつけ、同様の価値観を持つLGBTでない労働者や顧客に好印象を与える上で簡単かつ安上がりな方法になっている。

 アーカンソー大学のダニエル・ウェザビー准教授(法学)は「ウォルマートのような巨大企業は明らかに世間体を意識しているが、十分に成功し事業を確立しているため、国民の関心が高い問題では先駆的企業にもなれる。LGBT関連の立場を表明することで両方の目的を達成できる」と指摘する。

 こうした変化を比較的急激と感じる人もいるが、専門家や活動家によると、すべてを受け入れる方針の導入は長年にわたる社内での議論や人権団体の活動の結果と言える。この流れが進むきっかけとなったのは2011年にニューヨーク州で同性婚が合法化されたことで、以後は少数派の容認が単に「正しい行為」ではなく、「ビジネス上有利」という考え方が広がった。