Tuesday, December 20, 2016 10:02 AM

マイクロソフト、人工知能の強化に注力〜オフィスとの連動で差別化を図る

 マイクロソフト(Microsoft)は、同社の人工知能(AI)「コルタナ(Cortana)」をさらに強化し、アップル(Apple)のシリ(Siri)やグーグルのグーグル・アシスタント(Google Assistant)を追い抜くべく、ロング・セラー製品のマイクロソフト・オフィスと連動させる計画だ。

 ベンチャービート誌によると、マイクロソフトは、コルタナ向け機器開発者向けにソフトウェア開発キット(SDK=software kit development)を公開したばかり。最初の製品は、コルタナと接続するスピーカー端末になる見込みだ。

 人工知能と接続するスピーカー製品は、アマゾン(Amazon)のエコー(Echo)やグーグルのグーグル・ホーム(Google Home)と同じ構成だが、マイクロソフトは競合製品との差別化を図るために、コルタナとオフィスを連携させる。たとえば、コルタナとスピーカーを使って、オフィス・ワードの書類を読みあげるといった機能が考えられる。

 マイクロソフトではその一環として、電子メールの自動化エンジンを開発するノウメール(Knowmail)と提携した。ノウメールの自動化機能をコルタナに組み込む狙いだ。

 ノウメールの技術がコルタナに対応することによって、たとえば、緊急の電子メール・メッセージに印(フラッグ)を自動的に付けたり、出勤直後に電子メール・メッセージ内容を確認したり分類したりする作業をコルタナに任せることも可能となる。

 そのほか、上司や子ども、顧客からの電子メール・メッセージをコルタナに読み上げさせ、さほど重要でない残りの電子メール・メッセージ群をしばらく放置できる。マイクロソフトは、重要でない電子メール・メッセージにコルタナがいずれ自動返信できるようにしたい考えだ。

 仮想執事の機能は今後、利用者が求める情報を、人工知能で稼働するボット(bot、コンピュータやオンライン機能を使った作業を補佐する簡便化ソフトウェアまたは作業代行ソフトウェアで、代理人ソフトウェアと呼ばれることもある)によってインターネットから自動的に集めるといった作業にも対応すると予想される。ただ、そこまで発達するにはまだ10年以上かかるとみられる。

http://venturebeat.com/2016/12/17/microsoft-cortana-is-about-to-become-your-all-purpose-productivity-bot/