Thursday, December 22, 2016 10:24 AM

知事不在で米軍基地返還式 政府「沖縄の負担軽減」

 沖縄県の米軍専用施設「北部訓練場」(東村、国頭村)の大規模な部分返還を記念した式典が22日、名護市の万国津梁館で開かれた。菅義偉官房長官は1972年の本土復帰後最大規模の返還となったとし「基地負担軽減に大きく資する」と強調した。しかし翁長雄志知事は、非返還区域での新型輸送機オスプレイの運用に反発し欠席。沖縄トップ不在の異例の式典となった。

 翁長氏は同じ名護市で同日開催されたオスプレイ不時着事故への抗議集会に参加し、自粛を求めた式典を政府が強行したとし「県民に寄り添う姿勢が全くない」と指摘。オスプレイの早期飛行再開にも「沖縄県民を日本国民と見ていない」と批判、強い憤りを表明した。集会には主催者発表で約4200人が参加。政府と沖縄県の対立が鮮明になった。

 式典は防衛省沖縄防衛局の主催。ケネディ駐日米大使は、返還は「日米同盟の画期的な節目だ」と意義を強調。稲田朋美防衛相は「引き続き沖縄の負担軽減のため、最大限努力する」と表明した。マルティネス在日米軍司令官のほか、返還で政府と歩調を合わせてきた宮城久和国頭村長、伊集盛久東村長が出席した。(共同)