Wednesday, July 06, 2016 9:56 AM
グーグル、人工知能を眼病治療に応用へ〜英眼科病院と提携しデータを学習
グーグル(Google)は、人工知能「ディープマインド(DeepMind)」の研究開発を促進するために、英国の眼科専門病院モアフィールズ眼科病院(Moorfields Eye Hospital)と提携した。
PCワールドによると、グーグルは同病院との提携によって、加齢黄斑変性と糖尿病網膜症の診断にコンピュータを役立てるために、病院が管理する患者データを使ってディープマインドを学習させる。
ディープマインドは、ロンドンで起業された新興企業で、何年か前にグーグルに買収された。
加齢黄斑変性と糖尿病網膜症は、失明につながる可能性がある深刻な眼病だ。診断に際しては、眼底のデジタル・スキャンをとるか、光干渉断層法(OCT)を使って網膜の立体スキャンをとる方法が使われている。
スキャン画像を分析するには時間がかかる。モアフィールズ病院のピアース・キーン眼科医がグーグルに連絡し、コンピュータで所要時間を短縮する方法を模索したことから、同事業が始動した。
ディープマインドは、同病院の患者から集めた眼底やOCTのスキャン画像を100万枚前後処理するほか、診断と治療に関するほかの情報を取り込んで学習していく。
グーグルとモアフィールズ病院の契約では、患者データはすべて匿名で扱われ、グーグルが持っているほかのデータを組み合わせて分析することを禁じている。
医学分野は、機械学習や人工知能の応用先として有望視されている。グーグルは、ディープマインドの医学事業部門を2月に開設した。同部門では現在、医師や看護師が肝臓病の診断に役立てるためのモバイル・アプリケーション開発を進めている。
一方、IBMも、人工知能ソフトウェアのワトソンを医学に応用しており、これまでに一部のがんの診断に役立つ機能を開発した。