Thursday, June 16, 2016 11:15 AM

検査妨害や隠蔽工作の実態 ロシアの報告書で陽性52件

 世界反ドーピング機関(WADA)は15日、ロシア陸上界の組織的なドーピング問題を巡り、同国の反ドーピング機関を「不適格組織」とした昨年11月から約半年間の報告書を公表し、ロシア連邦保安局(FSB)が介入した検査妨害や度重なる隠蔽工作の実態が再び浮き彫りになった。ロシア選手は52件の陽性反応を示し、736件の検査逃れや拒否もあった。

 国際陸連は17日の理事会で資格停止中のロシア陸連の処分を協議し、同国選手が8月のリオデジャネイロ五輪に参加できるか決める。今回の報告書が結論に影響を及ぼす可能性もある。

 報告書はドーピング検査に関連した選手の居場所情報で111件の違反があったことも指摘。体内に隠していた偽の尿検体が提出段階で見つかった女子選手が、検査官に隠蔽のため賄賂を渡そうとした例や、国内の競歩選手権では15選手がスタート直前に大会を辞退した例なども記された。(共同)