Tuesday, July 12, 2016 10:36 AM
ポケモン・ゴー、大ヒットの光と影〜任天堂、株価急騰も社会問題にも直面
任天堂の久しぶりのヒット作が、ヒットのし過ぎによって社会問題に直面している。
任天堂とグループ会社が開発したモバイル・ゲームのポケモン・ゴー(Pokemon Go)は、7月頭に配信開始されたばかりだが、急増中の利用者を狙った強盗事件や事故がすでに起きており、米メディアで大きく報じられている。
ポケモン・ゴーは、スマートフォン利用者が同アプリケーションで指定された場所に実際に訪れ、位置情報機能を使いながら、架空の生き物であるポケモンを捕まえたり探したりするゲームだ。街角に隠れているポケモンが、スマートフォン・カメラに映った実際の街並みのなかに現れるという拡張現実(AR)型が特徴だ。
ブルームバーグによると、ポケモン・ゴーの共有機能が悪用され、ポケモン・ゴーの利用者が訪れた場所で犯人の少年らに待ち伏せされ、銃で脅されて所持品を強奪されるという事件が起きた。
また、ポケモンを探している最中に夢中になりすぎて転倒して事故を起こすといった例も相次いでいることが報告されている。
ポケモン・ゴーの人気ぶりは異常で、アップル(Apple)のアップ・ストアーで配信開始されたわずか1週間後に、ダウンロード件数がゲーム部門の首位になった。その人気ぶりは株式市場にも反映され、任天堂の株価はこの1週間で50%以上も上昇している。
ウォール・ストリート・ジャーナルでは、ポケモン・ゴー人気について、何年間も業績低迷に苦しんできた任天堂の復活機会になる可能性があると同時に、株主を軽視する日本型経営に対する教訓になる事例だと報じた。
任天堂は、モバイル・ゲーム市場への進出を提言していた投資家らの要望をようやく受け入れ、モバイル・ゲーム開発計画を2015年に発表した。
任天堂は当初、モバイル・ゲーム企業への投資や知的財産の使用許諾を拒絶していた。ウィー(Wii)以降のヒット商品を長年にわたって出すことができず、深刻な業績悪化に直面したが、経営陣は打開策を打ち出せずに、資産売却を強いられる状態だった。
ポケモン・ゴーの成功は、株主たちからの要求を受けて方針を転換した結果であり、リスクも計算できずリスクをとらない日本型経営の限界と、株主重視型経営の効用を示す一面を明示した、と指摘する専門家の声もある。
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