Friday, March 31, 2017 10:46 AM

スマホがより大きく高価に〜大手2社が大画面の新商品

 スマートフォン販売が減速する中、業界大手サムスンとアップルはさらに画面が大きくより高価なモデルを投入している。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、サムスンは3月29日、最新モデル「ギャラクシーS8」を発表した。同社はS8にデジタル・パーソナル・アシスタント「Bixby」などの新機能を搭載したほか、2016年に旧モデル「ギャラクシー・ノート」の発火を引き起こしたバッテリー問題も解決したと強調している。

 しかし、S8の最大の売り物は新しい曲面ディスプレイ技術で、本体はわずかしか大きくなっていないのに比べて画面がずいぶん大きくなったように見える。

 17年は「iPhone(アイフォーン)」発売10周年となるアップルも、年内に同様の戦略を打ち出すと見られている。

 スマホ利用者は画面の大規模な刷新を歓迎する傾向が強く、アップルがそれまでより画面の大きい「アイフォーン6」を発売した15年は販売台数が37%も増え、前年の13%増から伸びが加速した。

 しかし、消費者がこれ以上高価なスマホを受け入れるかどうかは分からない。アップルやサムスンは高い収益性の持続を望んでいるが、メモリーなどの部品コストは上昇している。ギャラクシーS8の米国での価格は約750ドルと、16年の旧モデルの発売価格より約12%も高い。アップルに至っては今年の新型アイフォーンは1000ドルを超えるといううわさもあり、ハイエンド志向の消費者も購買意欲をなくす恐れがある。

 市場調査IDCによると、世界のスマホ販売で両社が占める割合は、12年には合わせて約50%に上ったが、より安い中国製品の増加で16年には36%に低下している。