Thursday, April 27, 2017 10:58 AM

新型スパコンで石油&ガス探査の新記録

 IBMとストーン・リッジ・テクノロジー(Stone Ridge Technology)はエヌビディア(Nvidia)と協力し、スーパーコンピュータを利用する石油およびガス探査向け貯留層シミュレーション分野で新記録を樹立した。

 ベンチャービート誌によると、3社は、エヌビディアのGPU(graphics processing unit)を搭載した電算システムを使い、ごくわずかの時間で10億セル・モデルのシミュレーションに成功し、従来のCPU(central processing unit)コード利用の場合と比べて電算性能と効率を10倍に高めた。

 石油およびガス企業は同システムによって、資源探査にかかる費用の大幅削減が可能になる。

 石油およびガス探査分野での従来の電算記録は、数千個のプロセッサーを搭載したスーパーコンピュータを使ったものだった。

 3社のシステムは、60個のプロセッサーと120個のアクセラレーターを使っている。

 新システムは、シミュレーションおよび探査分野の高性能電算(HPC=High Performance Computing)アプリケーションの価格と性能を大きく変える可能性がある。

 IBMのスミット・グプタ副社長によると、新記録を樹立したシステムは、IBM独自のミンスキー・オープンパワーGPU(Minsky OpenPower GPU)アーキテクチャーに、ストーン・リッジのシミュレーション・ソフトウェア「エシェロン(Echelon)」を採用したもの。

 ストーン・リッジによる最近の試験では、従来なら70万個のプロセッサーを使って、フットボール競技場の半分を埋め尽くすほどの数のサーバーが必要となる計算を、卓球台の半分程度の広さに納まるラック二つ分のIBM製コンピュータで実行できた。

 10億セル貯留層シミュレーションの実施にあたっては、エヌビディアのGPUアクセラレーター「テスラ(Tesla)」および「同P100」を合計120個搭載したサーバー「IBMオープンパワー(OpenPower)」30台が使われた。電算所要時間は92分だった。

https://venturebeat.com/2017/04/25/ibm-nvidia-and-stone-ridge-technology-set-record-for-supercomputing-in-oil-and-gas-exploration/?google_editors_picks=true