Monday, May 22, 2017 10:40 AM
グーグル、第2世代のTPUを提供開始
グーグル(Google)は、機械学習向けの独自開発プロセッサー「テンソル・プロセッシング・ユニット(TPU=tensor processing unit)」の第2世代品を開発し、グーグル・クラウド(Google Cloud)に採用することを先日明らかにした。
ベンチャービート誌によると、グーグル・クラウドを使う研究者や企業はそれによって、人工知能(AI)モデルの訓練を加速し、動作の高速化を図ることが可能になる。
グーグルは、自社の検索エンジンから翻訳、コンピュータ視覚にいたるさまざまのサービスにTPUを利用している。
第2世代TPUの処理性能は最大180テラフロップス。グーグルによると、AI訓練に要する時間が従来の週単位から時間または日単位に短縮される。
1年前に発表された第1世代のTPUは、グーグルの全検索クエリーと、囲碁の世界チャンピオンに勝ったコンピュータ囲碁プログラム「アルファ碁(AlphaGo)」で使われた。
TPUの第2世代では、機械学習と推論の両方に対応した点が第1世代と異なる。また、第2世代は、グーグルの機械学習ライブラリー「テンソルフロー(TensorFlow)」と、インテル(Intel)のスカイレイク(Skylake)、エヌビディア(Nvidia)のヴォルタ(Volta)といったAIモデル処理用CPUまたはGPUシステムと組み合わせて使うことができる。
第2世代TPUは、コンピュータ視覚を利用してイーベイ(Ebay)で製品を探すショップボット(ShopBot)や、楽曲スニペット(断片)を利用し4000万曲のなかから特定の曲を見つけるシャザム(Shazam)といったサービスですでに採用されている。
グーグルはまた、クラウド・サービスのテンソルフロー・リサーチ・クラウド(TensorFlow Research Cloud)を新たに開始し、有力な研究機関や科学者らに第2世代TPUを無償提供する。同サービスを利用する研究者らは、研究内容をほかの利用者と共有することが求められる。