Friday, June 17, 2016 10:35 AM
バロックの新ヘッドライト、安全性向上
自動車照明サプライヤーの米バロック(Varroc Lighting Systems)が、安全性と視界を格段に向上するヘッドライトの開発を進めている。
デトロイト・フリー・プレスによると、バロックの「Pixel Lamp」は、カメラを駆使した複数のアダプティブLEDヘッドライトで構成され、正確性を高めた照射で他のドライバーの視界を妨げないのが特長だ。
「車の照明は1世紀に渡ってほとんど変化が無かったが、この10年で興奮させられる新技術が続々と登場している」と、バロックで製品企画を指揮するスコット・モンテージ氏は説明した。
バロックの前身は馬車用のランタン・メーカー。1879年に創業し、フォード傘下だったビステオンの部品グループに所属した後、インドのバロックが2012年に買収した。バロックはミシガン州で工学と経営部門、ドイツとチェコ共和国で研究開発(R&D)センター、メキシコと中国、インド、チェコで8工場を運営し、自動車用照明事業はバロック総売上高(13億ドル)の約60%を占める。
バロックが注力する2大技術のうちの1つであるLEDは、リフレクターを活用することでヘッドライトとブレーキライトの効率よい照射を実現する。2つ目はレーザーで、照射範囲をこれまでの倍に相当する600ヤード以上に広げた。
バロックのLED技術は運輸省道路交通安全局(NHTSA)が審査中で、モンテージ氏は18年の認可を見込んでいる。欧州では高級車の一部で搭載済みだが、米国では認可後1〜2年で実用化される見通しだ。高級車が最初になるが、バロックは従来のHIDシステム並みにコストを下げることで、小型車やサブコンパクト車への供給も見据えている。