Monday, June 26, 2017 11:36 AM

ファルテック、ミリ波レーダーカバーを量産へ

 外装部品が主力のファルテックは、自動緊急ブレーキには必須のミリ波レーダーカバーを米国で量産する。

 ラインを導入するのは、ジョージア州のフロアカーペット工場。約4千平方メートルのうち、使用していない約半分でミリ波レーダーカバーを生産する。年50万台分のラインを導入し、18年初頭にも量産を始める。

 米国では、自動緊急ブレーキを22年までに搭載することが決まっている。日本車でも日産車やレクサスには新型車に自動ブレーキ機能を搭載することになり、今後、ミリ波レーダーの搭載数増加に伴い、カバーの需要も急激に伸びることが予想されている。

 ミリ波レーダーは直進性が強い電波を使い、障害物の位置を瞬間的に正確に検知できるのが特徴。カメラでは、20メートル前方の障害物を察知するのが限界だが、ミリ波レーダーは100メートル以上検知できるため、自動緊急ブレーキに採用される割合が飛躍的にたかまっている。

 一方、ミリ波レーダーの弱点は、搭載されるエンブレムに通常の金属メッキを施すと電波を反射してしまうことだった。

 ファルテックは電波を通す特殊な金属膜を樹脂に蒸着させる技術を開発し、日産自動車やホンダなど日系メーカーを中心に独占的にカバーを供給している。

 アメリカでは、まず、日産のスマーナ工場に納品するが、ライバル企業もないため、日系ばかりでなく、GM、フォードなどにも売り込みを図り、第2工場の立ち上げも視野に入れている。