Monday, July 25, 2016 10:32 AM
3大新興技術で予防保守管理業務が進化〜クラウド、IoT、ビッグ・データ
クラウド電算やモノのインターネット(IoT=Internet of Things)、大規模データ(big data)が、予防保守管理の分野を大きく変えつつある。
モーターをはじめさまざまの機械が故障しかかっているかどうかを検知するうえで、音や振動の変化は重要な手がかりとなる。その種の兆候を察知する仕事は、何年も前から確立された業務分野となってきた。
エネルギー・マネージャー・トゥデイ誌によると、クラウドやIoT、大規模データを応用する動きがそこに加わったことで、機械類の保守管理の業務過程が激変している。
現在では、検知器を取り付けてデータを収集し、クラウド上にある大規模データ分析エンジンに送ることができる。それらの技術の推進派は、以前に比べてはるかに簡単に、しかも正確な結果が得られるようになった、とその利点を強調する。
グローバル・マーケット・インサイツ(Global Market Insights)によると、予防保守管理の市場規模は2014年に15億ドルで、2023年には30億ドルを超えると予想される。また、テック・ナヴィオ(Tech Navio)では、同市場が2020年まで年平均4.02%で成長をつづけると予想する。
同市場には、エマーソン・エレクトリック(Emerson Electric)やゼネラル・エレクトリック(GE)、ハネウェル、ロックウェル・オートメーション(Rockwell Automation)、パーカー=ハネフィン(Parker-Hannifin)、ABBといった大手が参入している。
そのほか、予防保守管理を専門とするオーギュリー(Augury)のような新興企業もある。共同設立者兼最高経営責任者(CEO)のサール・ヨスコヴィッツ氏は、機械学習と信号処理アルゴリズムの専門家だ。同社は、振動と超音波を使って機械の状況を調べる技術を開発しており、当面は空調機器での応用を目指している。
ポンプやモーターから生成される振動と超音波のデータは、その種の機械の標準データと比較されることで、異常かどうかが検知される。将来的には「個別のブランドや機種ごとに比較できる水準にまでデータベースを拡充する計画だ」と、ヨスコヴィッツ氏は話している。