Wednesday, July 12, 2017 1:28 PM
金融商品の取り引き業務にも人工知能
スイス拠点の銀行大手UBSは、金融商品の取り引き業務に人工知能を導入し、関心を集めている。
ファイナンスフィーズ誌によると、多くの銀行では、バックオフィス業務に人工知能をすでに導入して作業効率を高めているが、UBSのように取り引き業務に導入する例はまれだ。
UBSは、金融商品取り引き人工知能ソフトウェアをデロイトと共同開発した。
同ソフトウェアは、顧客からの電子メールを検索し、大口の取り引きを求める内容を検知すると、それを認識して自動処理する。その作業にはこれまで約45分かかっていたが、人工知能ソフトウェアを使えば2分で完了する。
同社ではそのほか、機械学習機能によって金融商品価格変動幅を理解して戦略的な取り引きを特定する。大量の取り引きデータを機械学習システムに学習させ、市場動向の傾向を解析し、それにもとづいて取り引きするしくみだ。それに関する自動処理機能はまだ実用化されておらず、取り引き担当者が判断している。
UBSのビートリッツ・マーティン・ヒメネス最高執行責任者(COO)によると、コンピュータと人工知能が金融商品の取り引きをみずからの判断で実行できるシステムの実用化までにあと数年かかる見通しだ。
一方、米金融サービス大手ゴールドマン・サックスのニューヨーク・オフィスでは、現物株式(cash equity)の取り引きに自動化システムを導入済みだ。同社は、現物株式取り引き部門の担当者らを2000年に600人ほど雇っていたが、現在、その人数は二人。同社は、為替取り引きにも自動化システムを導入しつつある。
日本のマネックス(Monex)でも、人工知能を使った市場分析報告書の配信を始めている。
【https://financefeeds.com/ubs-latest-ai-push-may-lead-robots-invading-trading-world/】