Friday, July 14, 2017 12:01 PM
インターネット詐欺対策には機械学習が有効
デルEMC(Dell EMC)とマスターカード・インターナショナル(MasterCard International)の幹部はこのほど、インターネット詐欺対策として機械学習技術の応用が欠かせないという見方を強調した。
昨今のビッグ・データ時代においては、クラウド電算システムで管理される顧客の社会保障番号や医療記録、クレジット・カード番号といった非常に重要な個人情報を保護することが、企業にとって最重要課題の一つとなっている。
ラスベガスで最近開かれたデルEMCワールド会議の席上、デルEMCの北米法人向けソリューションズおよび事業連携担当副社長トニー・パーキンソン氏とマスターカードのビッグ・データ担当副社長ニック・カークル氏は、データの解析と個人情報保護のために機械学習技術を活用することが企業に利点をもたらすと話した。
シリコンアングル誌によると、カークル氏は、データ保護にとってもっとも有効なツールの一つが機械学習であり、特にオープン・ソースのビッグ・データ・エンジン「アパッチ・ハドゥープ(Apache Hadoop)」と併用した場合に優れた機能性が発揮されると説明した。
同氏によると、機械学習技術をほかの解析技術と比較した場合、速度やストレージ機能、規則セット導入機能について利点が大きい。データ取得が格段に速く、それによってリアルタイムの脅威検知とデータ保護が可能になる、と同氏は説明した。
かたや、デルEMCのパーキンソン氏は、同社の最新型電算プラットフォームについて、応答時間がミリ秒単位の高速処理が可能と説明し、機械学習機能を最大限に生かすためには高速電算機能が必要と述べた。
パーキンソン氏はまた、ハドゥープのようなツールと機械学習処理の融合について、あらゆる種類の組織におけるデータ保護に役立つと指摘。オープン・ソース技術の登場によって、機械学習技術の導入と活用が格段に簡便化されたという見方を示した。
パーキンソン氏はさらに、「データ問題を最初からすべて解決しようとしないことが重要。まずは小規模の課題に着手して結果を測定し、対応力や知識を蓄積し、新しいパラメーターを徐々に追加する。小さく始めて成長することが大事」と述べた。
デルEMCとマスターカードは、インターネット詐欺対策を目的に技術提携している。