Tuesday, July 26, 2016 10:40 AM
MIT、専用メガネなしの立体映像スクリーンを開発〜映画館向け応用に現実味
マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学&人工知能研究室(Computers Science and Artificial Intelligence Lab=CSAIL)は、専用メガネなしで立体映像を可能にするスクリーンを映画館にもたらす技術を開発した。
テッククランチ誌によると、CSAILの研究班はイスラエルのワイズマン科学研究所(Weiszmann Institute of Science)との共同開発によって、「シネマ3D(Cinema 3D)」という試作品を作製した。
シネマ3Dは、数々の視差バリアを創りだす多くのレンズと鏡を組み合わせた複雑な構造のスクリーンで、映画館内のすべての座席からでも映像を立体的に見ることを可能にする。どの角度からでも立体映像を見られるようにすることは非常に難しい。
研究者らによると、同技術は、どの角度から見られるのか定かではない居間よりも、座席の位置が決まっている映画館で効果を発揮する。
専用メガネを必要としない立体映像を可能にする試みには、これまでにもいくつかの企業が取り組んだが、画質の解像度を維持するのに莫大なコストがかかる課題があり、非現実的だった。
CSAILとワイズマン科学研究所が開発したスクリーンはその点、どの席の観客にも鮮明な立体映像を映すことを可能にするため、これまでの挑戦に比べると現実味が高いと期待される。
ただ、実用化にはまだ時間がかかる。試作品はレター・サイズ(A4判に近い大きさ)大で、その大きさに50組の鏡とレンズが必要になる。それでも、設計上の実現性は証明されている。あとは、商業化を可能にする大きさに拡大すると同時に、拡大した場合の立体映像効果を確認することが必要となる。