Monday, July 25, 2016 10:41 AM
エネルギー省、バイオ燃料研究に1500万ドル〜植物プランクトンに着眼
米エネルギー省は、植物プランクトンを利用したバイオ燃料生産の試みに対して総額1500万ドルの助成金を拠出する。2015年にも1800万ドルの助成金が拠出されている。
クリーンテクニカ誌によると、新たな助成金を受け取るのは、ハワイのグローバル・アレジー・イノヴェーションズ(Global Algae Innovations)、カリフォルニアのマイクロバイオ・エンジニアリング(MicroBio Engineering)、フロリダのアルジノール・バイオテック(Algenol Biotech)だ。
グローバル・アレジーの研究には、カリフォルニア大学サンディエゴ校とTSDマネジメント・アソシエイツ、テキサスA&M大学、ゼネラル・エレクトリック、パシフィック・ノースウェスト国立研究所、国立再生可能エネルギー研究所が参加している。
グローバル・アレジーは、植物プランクトンの収穫技術を改良しており、研究班はそれを活かして、栽培から収穫、事前処理までの過程を完成させる。
マイクロバイオの研究には、カリフォルニア州立工科大学とパシフィック・ノースウェスト国立研究所、サンディア国立研究所、民間企業のヘリエ(Heliae)が参加している。植物プランクトンの栽培と下水処理を組み合わせて価値を高めることを目指している。
アルジノールの研究は、国立再生可能エネルギー研究所とジョージア工科大学、民間企業のリライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries)の協力を通じて進められている。バイオ燃料の中間生成物であるシアノバクテリアの生成過程の改良を目指している。
バイオ燃料の有効性については懐疑論もある。テスラのイーロン・マスク氏は以前に、バイオ燃料の研究価値に疑問を投げかけたことで知られる。
米政府の関連政策も長年にわたって浮き沈みを繰り返してきた。第二次世界大戦中や1970年代の石油ショック後に研究活動が活発化したが、1990年代以降は研究開発の奨励策が鳴りを潜めた。
2005年には、トウモロコシを使ったエタノールの政策が導入されたことで話題が復活したが、食糧確保の必要性との衝突が問題視された。
現政権は、食糧と競合しない原料を使ったバイオ燃料の研究開発を重視しており、それが植物プランクトン関連の研究に補助金が下りる背景となっている。
【http://cleantechnica.com/2016/07/18/algae-biofuel-doubters-get-brush-off-energy-department/】