Wednesday, July 27, 2016 9:56 AM
クラウドへの移行、2020年までに1兆ドル〜ガートナーによるIT支出額予想
米調査会社ガートナーは25日、クラウド電算が「IT支出にとってデジタル時代の黎明期以来最大級の決定的要因になる」という見方を示した。
データ・センター・ノーレッジ誌によると、どれほど「最大級の決定的要因」になるのかについて、ガートナーでは、向こう5年間において、クラウド電算への移行が1兆ドル以上のIT支出に直接および間接的に影響すると予想する。
クラウド電算は数年前までIT市場全体のわずかしか占めなかったが、現在では主要分野の一つとして位置づけられる。調査会社IDCは、2020年にはIT基盤設備支出の半分近くがクラウド関連になると予想する。
ガートナーのエド・アンダーソン氏は、クラウド支出の増加傾向について、しばらく前までは、伝統的IT環境からクラウド環境への移行に慎重な大企業が多かったが、昨今では「クラウド環境で生まれたIT新興企業」が増えているため、クラウド電算が最初から大前提となっている技術やサービスが増えている、と指摘する。
ガートナーによると、クラウドへの移行に関するIT支出の総額は2016年に1110億ドルに達し、2020年には2160億ドルに激増すると見込まれる。
「クラウドへの移行は、業務や環境の単なるクラウド化では表現できないほどすそ野が広がっている」とアンダーソン氏は話す。
「クラウドは、たとえばモノのインターネット(IoT=Internet of Things)といった台頭技術の前提プラットフォームとみなされており、移行するしないという議論を通り越して、各社のIT支出の基盤に組み込まれるようになっている」。