Friday, September 01, 2017 11:11 AM

アストラゼネカ、バーグと提携

 スーパー・コンピュータを使った医薬品開発への関心が高まる中、英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)は人工知能(AI)を使った薬品開発を専門とするボストンの新興バイオテク医薬品会社バーグ(Berg)と提携した。

 ロイター通信によると、提携ではパーキンソン病など神経系疾患の新しい治療法の発見や評価に焦点を当て、アストラゼネカが提供する化学物質を基に、バーグがAIを使ってその中から薬品候補を探す。バーグの研究者はすでにAIを使い、患者と健康な人の組織サンプル・データを詳細に比較することで新薬用の生物学的標的を探しており、アストラゼネカはこうした研究で見つかった薬品候補を独占的にライセンスする権利を得る。

 投資額などの詳細は明らかにされていない。

 最近はグラクソスミスクライン(GSK)、サノフィ、メルクなど、 新興企業との提携を通してITの可能性を模索する製薬大手が増えている。最新の電算システムを使って分子の動きや有益な薬品になるかどうかを予想し、不要な試験に投じる時間や資金を節約するのが目的。

 バーグのナイヴェン・ナレインCEOは「2017年はAIが真剣に受け入れられるようになった年で、より広範な業界への導入や採用の兆候が見られる。これまでは懐疑的だった」と述べている。バーグにとって製薬大手との連携はアストラゼネカが初めてだが、AIを使った臨床試験を経て開発した試験的抗がん剤も持っており、今後はさらにパートナーシップが増える見通しだ。

 AIを使った薬品開発分野の新興企業としてはほかに、英国のBenevolentAI、Exscientia、米国のNumerate、twoXAR、Atomwise、InSilico Medicineなどがある。