Thursday, September 14, 2017 11:35 AM
トラヴェラーズ、慢性痛リスク予想にデータ解析
疼痛(とうつう)管理の分野でデータ活用が本格化している。
労災保険大手のトラヴェラーズ・カンパニーズ(Travelers Cos.)は独自の予測モデルを使い、慢性痛発症リスクが高い個人の特定に役立てている。医師と患者がさらなるケガの予防に積極的に取り組んだり、オピオイドやそのほかの鎮痛剤の使用を減らしたりできるようにするのが目的だ。
ハートフォード・ビジネス誌によると、トラヴェラーズの予測モデルは「重大度初期予想(ESP=Early Severity Predictor)」と呼ばれ、この種の用途向けに開発された予測モデルとしては初の製品だ。同社はESPの特許をすでに取得している。
トラヴェラーズは、2015年以降に2万件超の労災申請にESPを応用し、慢性痛を起こすリスクのある9000人以上の労働者を特定した。そして、麻酔性薬剤による治療の代わりに、「回復を支援し加速させることを目的としたカスタマイズド・スポーツ医療のような治療」(トラヴェラーズ)を受ける制度に切り替えた。
その結果、過去1年間に同制度に参加した労働者らは、そうでない人に比べてケガからの回復と職場復帰が早かった。また、鎮痛剤オピオイドの処方を受けた少数の参加者らは通常より格段に少ない用量で治療が可能だったほか、薬剤使用期間も短縮された。
それらが貢献し、従業員の故障にともなう平均コストは従来のほぼ4万ドルから最大半分に削減された。
【http://www.hartfordbusiness.com/article/20170911/PRINTEDITION/309079922/1043】