Monday, June 20, 2016 10:54 AM

フィラデルフィアでソーダ税〜市議会可決、来年から実施へ

 ペンシルベニア州フィラデルフィア市議会は19日までに、甘味成分を人工的に加えた飲料に1オンス当たり1.5セントを課税するいわゆる「ソーダ税」条例案を可決した。市長の署名を経て2017年1月からソーダ税が実施される見通しとなった。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、課税対象は、ダイエット・ソーダを含む炭酸飲料のほかスポーツ・ドリンク、エナジー・ドリンクなどアルコール分の入っていない甘味飲料。フィラデルフィアは人口で米国第5の都市で、国内主要都市でこの種の条例が導入されるのは初めて。

 ソーダ税を納めるのは甘味飲料の元売り業者となっているが、負担がすべて消費者に転嫁された場合、小売価格は25〜30%上がる可能性がある。同条例案は、今年1月に就任したジム・ケニー市長が保育園など公共サービスの資金源として打ち出した。当初は課税額が1オンス当たり3セントだったが、市議会は今月上旬、これを1.5セントに減らす一方で糖類以外の甘味料を使った飲料も課税対象に含める形に修正した。

 自治体では全米で初めて14年に甘味飲料への課税を決めたカリフォルニア州バークリー市の課税額は1オンス当たり1セントで、ノンカロリーの人工甘味料を使った飲料は対象外。米国飲料協会(ABA)は「元売りへの課税は実質的な売上税であり、州議会の承認を要する」と主張、さらに「州全体で税を統一することを義務付けるペンシルベニア州法に反する」として裁判に持ち込む構えだ。