Monday, September 18, 2017 11:07 AM
小売業界の課題は機械学習で解消可能
小売業界では、事業の大小にかかわらず供給網の効率的管理が共通の課題となっている。供給網の効率化は、業績に大きく影響すると同時に、供給網過程の透明化によって持続可能性を追求する社会責任でもある。
在庫管理から製品の包装、配送にいたる過程は労働集約的であり、複数業者が関与し天候にも左右される。そういった複雑な供給網の管理効率化の解決策の一つとして導入が進んでいるのが、供給網全体を通したビッグ・データの予想分析や人工知能の活用だ。供給網の多種多様の場面で経費削減や効率化を少しずつ図り、全体として大きな成果につなげる狙いがある。
フォーブス誌が掲載したビッグ・データ専門家のバーナード・マー氏の寄稿によると、モノのインターネット(IoT=Internet of Things)応用の普及によって、供給網全体を通じさまざまのデータを集めることが可能になった。
小売業界向けに予想分析システムを提供するスプライス・マシン(Splice Machine)のモンテ・ズウェベンCEOは、ビッグ・データを使って機械学習モデルを構築することで、たとえば顧客からの注文処理が遅れる確率を予想し、遅れる場合には何日遅れるかの特定や通知を含め業務のあらゆる面で予想できるようになり、それによってサービス質を向上できるようになると指摘する。
予測にもとづき精密な模擬を実行し、遅れの影響を事前に評価できれば、影響を最小化するための対策も可能になる。
ズウェベン氏は、遅れることだけを顧客に伝えるのと、対策と見通しを伝えるのでは、後者のほうが圧倒的に心証を良くでき、顧客の維持や獲得に寄与する、と話した。