Tuesday, September 19, 2017 11:27 AM
銀行業界、人工知能とロボティクスの大きな犠牲に
ドイツ銀行のジョン・クライアンCEOは以前に、自動化システムの普及を受けて、銀行業界の職が劇的打撃を受けるという予想を示したことがある。同氏の予想は現在、的中する可能性が高まっている。
ワークプレイス・インサイツ誌によると、たとえば、組織的な知識職(個人個人が自身の知識を応用するのではなく、複数の労働者の持つ知識を組織的に活用する仕事)は、自動化システムによって置き代えられる可能性が高く、その傾向は社内階級の高低に関係なく今後さらに強まる見通しだ。
人工知能や自動化機能を基盤とした各種の電算システムによって職が奪われる可能性は、繰り返しで起きる型通りの仕事ほど高いと言われてきたが、昨今では、与信審査や分析、さらには意思決定する中間管理職の仕事も人工知能に取って代わられると指摘されるようになった。
その背景には、演算処理力やクラウド・ストレージの増強をはじめ、高度になった暗号化技術、ブロックチェーン技術の応用拡大によって、以前なら人の手によって処理されていた業務を簡単かつ安全に自動化できる技術革新がある。
それに対し、予想が難しく、本質的に人(社員や顧客)との交わりが非常に多い職種は自動化の犠牲になりにくいとみられる。電話やオンライン・チャットによる顧客サービスはすでに自動化されているが、より複雑かつ予想困難の対人職種に対応できる人工知能はまだ存在しない。
たとえば、住宅融資申請の与信審査はアルゴリズムで対応可能だが、住宅融資の借り換え申請や条件変更申請といった問い合わせの処理業務はまだしばらく人による分析と判断を必要とする見込みだ。